本は好きだろうか?
小説でももちろんいいが、漫画や雑誌でも、写真集でも実用書でもいい。私は好きだ。以前は、仕事の帰りには本屋に足を運ぶが日課だった。1冊の本に詰め込まれた情報や世界観、物語を楽しむことももちろん好きだったし、何より本屋さんのきれいに整然と並んでいる棚を見ることも好きだった。いつも同じ本屋に通っていた。慣れ親しんだ本屋は、どこに何の本が置いているか感覚的に知っている。そして、日々棚に並んでいる本や雑誌が少しずつ場所を変えていることに気がつく。その本棚の変化から、時の移り変わりや季節の変化を感じるのが好きだった。
しかし、年とともに時間もなくなり、知識や情報をネットから仕入れるようになったため、本屋でのゆったりした情報収集をする機会が少しずつ減ってしまっている。今では月に2、3度訪れる程度になってしまっている。しかし、ネットで得る情報と本屋で得る情報は圧倒的に異なる。
ネットと本屋の大きな違い ネットは釣り、本屋はダイビング
ネットは検索がメイン
目的を持って情報を取りに行く。気になること、困っていること、好きなアーティストや有名人、映画などなど、自分の頭の中にあるジャンルの情報の質や量を増やすのがネットでの情報との付き合い方だろう。ネットには大量の情報があふれているが、実際に触れることができるのは、自分の頭にある検索ワードで見つけることができた一部の情報だけである。ネットの情報収集のイメージは、釣りに近い。広大な湖に向かって、釣り針に餌(検索ワード)をつけて放り投げる。そして、引っかかった魚(情報)ときには、長靴(ゴミ)を釣り上げる。そして魚は自分の脳みそのアイスボックスにしまい、長靴はゴミ箱に捨てる。
一方で本屋での情報収集のイメージは、ダイビングである。
本屋もネットほどではないにしろ、情報の宝庫である。その情報の海へ自分の体ごとダイビングして、価値のある魚(情報)を直接見るのた本屋だ。いいダイビングスポット(本屋さん)を知っていれば、自分の好みの魚(情報)に出会えたり、全く知らなかった魚(情報)を見ることもできる。
どちらが上というわけでもなく、種類の違いだ。釣りが好きな人も、ダイビングが好きな人も、両方好きな人もいる。私は本屋のたくさんの情報に飛び込んでいく瞬間が好きだ。もちろん全ての情報を隅から隅まで見るわけではないが、ふと目に止まった自分の知らない情報に触れるきっかけを与えてくれるのが本屋だ。
そうして、私は、本屋が好きになった。
ネットがメインになった今でも、時折訪れる本屋での発見や驚きは私にとってとても大切な時間である。
皆さんもだから本や本屋さんが好きだろう。
そんな本好き、本屋好きなら、たまらん場所が池袋にある。BOOK and BEDというホステルである。
本屋好きの日本人、外国人の健全な溜まり場? BOOK and BED
このBOOK and BEDのコンセプトは「泊まれる本屋」
立派な本棚に選び抜かれた1,700冊の本が並んでいる共同スペース。
至高の場所である。
長い連なっているソファーにごろりと寝転びながら、気に入った本の世界へと没入できるのは至福だろう。
手前には、大友克洋の大判漫画AKIRAが飾られている。連載からもうすぐ30年になるだろう。未だにこれを超える壮大な漫画は出てきていない。この大判漫画も他に見たことがない。
ホステルなので、宿泊料金も安い。
【宿泊価格】
「STANDARD」¥4,500-(税抜)/1泊 〜 ※土日祝前日などは変動あり
「COMPACT」¥3,500-(税抜)/1泊 〜 ※土日祝前日などは変動あり
チェックイン 16:00 チェックアウト 11:00
本棚の中にあるベッドで寝る直前まで本を読む
本好きが寝る場所としてこれ以上の場所はないかもしれない。本棚のすぐ後ろである。
ホステルなので、もちろん寝るだけ、というスペースだが、お気に入りの本を何冊か確保したら、いそいそと寝床へ戻り、眠たくなる瞬間まで読書を楽しむ時間は最高である。うとうとしだしてからが本読みの正念場だ。こんなに本に囲まれていたら、ギリギリまで本を読みたくなってしまうだろう。
また、BOOK and BED デイタイム利用も可能だ。
営業時間:13:00~17:00
【利用価格】
1時間ごと:¥500-(税抜)
フリータイム(Daytime営業時間内):¥1,500-(税抜)
漫画喫茶とはまた異なる大人のゆとり時間をつくる場所だと思って立ち寄ってはいかがだろうか。
宿泊客の構成
気になるのはどんなお客さんが集まっているのか。情報を手に入れた。
・年齢別統計 – 20代 ~ 30代:85% 40代 ~:15%
・男女別統計 – 男性:30% 女性:70%
・利用目的別統計 – 国内旅行客:33% 国内出張客:4% 海外旅行客 33% 都内近郊客 29%
・お泊まり会やサードプレイス的利用も多く、都内近郊の方の利用が3分の1近くを占める。(16年7月現在)
年齢は、20〜30代がメインで、しかも女性の方が多いらしい。
利用者の構成は国内旅行者、海外旅行者、そして都内近郊で、綺麗に3等分されている。都内近郊の本好き、本屋好きが、「泊まれる本屋さん」というコンセプトが気に入って本仲間と集まっているようだ。お洒落な空間だけに気持ちは非常に分かる。私もお泊まり会をしたいくらいだが。誰としたら良いのだろうか。
この長いソファーに横に並びながら、それぞれの一押しの本を交換しあって過ごすなんて、面白そうである。
誰か一緒に行ってくれまいか。
それはさておき、夏休みの出張や旅行で東京に旅行に来る時の選択肢としてはいかがだろうか?
私は関東在住だが、この新しいダイビングスポットには、近々ダイブしてみたいと思っている。
予約(じゃらん)
BOOK and BED TOKYO
ちなみに2016年秋にKYOTOにもできたらしいので、京都旅行のときにお邪魔するのもありか。
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