岩井俊二監督の初期の名作ドラマ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」が、hulu(フールー)で配信がスタートした。
月額980円のHuluで、夏休みの8月に観ることができる上質な映画の一つだろう。
懐かしい人も多いだろう。
そして、8/18からアニメ映画として復刻された映画を観て好きになった新しいファンも、ぜひ実写ドラマ版をオススメしたい。
いま、観ても全く色褪せない上質のドラマを楽しめる。
amazonでDVDが売られているが4,000円だから、これを見るためだけに1ヶ月hulu入ってもお得だ。
一昨年くらいも急に夏に観たくなったので、TSUTAYAでレンタルしようと探したりしたが、東京の中目黒のTSUTAYAでも置いてなかった。で、断念したので、このHuluでの配信は嬉しい限りだ。
この「打ち上げ花火(略)」元々が、フジテレビの「if」という世にも奇妙な物語のおやすみ時期に1クールほどやっていた1話完結テレビドラマの中の1つなので、上映時間も50分と観やすいので、夏休みに見る映画としては最適だ。
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の思い出
岩井俊二らしい淡い雰囲気で、青春のワンシーンを鮮やかに描いて、心がなんかキュッとなる。
ヒロインは奥菜恵。
私が高校1年生の夏に放映されたときなので、ほとんど無名だったはずだが、翌日、高校に登校すると昨日のドラマ観たか?
と「打ち上げ花火〜(略)」が話題になったことを覚えている。
そして、みな奥菜恵に心を奪われていたた。
それくらいのインパクトを中高生に与えた名ドラマなのだ。
当時のアイドルは、宮沢りえ、観月ありさ、という時代だ。
そういえば、ドラマの中の少年が、「観月ありさー」と叫ぶシーンがあったか。
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の久しぶりの感想
早速、huluで数十年ぶりに鑑賞してみた。
やはり、幼い頃のノスタルジー感と奥菜恵の存在感。そして、千葉県の飯岡海岸の世界観に浸れるいいドラマだった。
主人公の少年は、ちょっと小悪魔な奥菜恵に軽く翻弄されるのだが、その巻き込まれ感が、今の時代の草食男子的な雰囲気の先取りでもあったり、どうしても精神年齢の幼い小学生男子のもやもや感が出ていていいのだ。
そして、夜のプールへ忍び込むというちょっとした背徳感のある冒険での奥菜恵は、小学生の役なのにちょっと妖艶だ。
これこそが岩井俊二の静かな演出で爪痕を残すスタイルなのだが、久しぶりに見てまたやられた。
最後もドラマタイトルの「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の問題もちゃんと解決して、すっきりして追われる。
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」は、8月中に観て欲しい
8/18から上映開始するアニメ映画版の「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の宣伝も兼ねたhulu(フールー)での配信なので、期間限定なので早めに観ておいた方がいい。
そもそも、花火がテーマのドラマなので、夏に見た方が気分もマッチして盛り上がる。
ぜひ8月中にhulu(フールー)で観て欲しいドラマだ。
hulu(フールー)の会員になるには、月額980円。
ただ初めての人は、2週間は無料トライアル期間なので、お盆休み前に入会して、終了後に退会すれば、
夏休みの暑い昼間の暇つぶしツールとして最高の相棒になってくれるだろう。
Huluは、他にも日本テレビ系の見逃し配信が強かったり、海外ドラマやアニメも新作を見ることができる。
2017年の1月期に話題だった「けものフレンズ」も見放題だ。
10月くらいにはWalking Deadの最新シーズンの配信が始まるので、いまから楽しみだ。
ただ、観たいものがなくなったら退会するのを忘れずに。
980円とはいえ、無駄なお金をずるずる払わせる会員ビジネスには注意が必要だ。
とりあえず、Hulu会員になっても、観たいものを見尽くしたら、一時退会するなどこまめなステータスチェックを怠らないのが今時のネット動画配信戦国時代の生き延び方だろう。
この作品が気に入った人にオススメの岩井俊二作品
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? 1991年
なんと2017年8月9日に、Blue-ray BOXが発売されるらしい。
6年後に撮られたドキュメンタリー番組やサントラCDなどもついてくる豪華版だ。
勢いでポチッとしてしまった。
Love Letter 1995年
打ち上げ花火のあと、大学2年生の頃に映画上映されたのがLove letter。
中山美穂と酒井美紀が主人公の大人と高校生時代を演じている。
大人になった主人公が、学生時代の思い出の世界へと迷い込むようなドラマで、ノスタルジーを感じることができる。
青春時代のちょっとした強がりや、淡い恋なのかなんだかわからない感情を持て余す感覚が映像から伝わってくる。
花とアリス 2004年
蒼井優と鈴木杏の2人の女子高生の青春ドラマ。
岩井俊二が、女子同士の友情というファンタジーをうまく描いている。
花とアリス殺人事件 2015年
そして、11年後にアニメ化されている。これは岩井俊二自身が監督している。
続編!と思いきや、前の実写映画より前の頃の、花とアリスの出会いを描いている。
バッドマン的に言えば、花とアリス・ビギンズである。
以上、岩井俊二の淡い青春の甘酸っぱい、もどかしさを感じさせてくれる映画だ。
岩井俊二作品以外で、こんな映画を楽しみたいなら、オススメしたいものが幾つか。
海が聞こえる。 1993年
スタジオジブリ作品だが、新人育成のためのテレビスペシャルアニメとして放映されたものだ。
高知が舞台の高校生の話だが、最後までビシッとむず痒くて面白いのでオススメだ。
時をかける少女 2006年
アニメ版をぜひ。
あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。 2011年
絵柄で敬遠していたが観たらドツボ。はまってしまった。
岩井俊二とはタッチは全然違い、もう少し浪花節の人情系で泣けるテレビアニメ。
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