年の差婚で、39万円得する!?加給年金のヒミツ

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男はみんな若い女が好き。なんて揶揄されますが、最近はそうでもない気もします。

ただ、年金の面では、若い女性と結婚しておくと後々得する制度があることをご存知でしょうか?

加給年金」です。

今回は、この加給年金について紹介します。

独身貴族を謳歌してきた皆さん、この「加給年金」をきっかけに、若い人を見つけて、そろそろ身を固めてみてはいかがでしょうか?

ちなみに、男女逆でももちろん対象なので、若い男の人と結婚する姉さん女房も忘れずこの制度を活用してください。

加給年金とは?

さて加給年金とは、サラリーマンや公務員の厚生年金の制度の一つです。

「自分が65歳になったときに、扶養している家族(65歳未満の配偶者、18歳未満の子)がいる」場合に、家族を扶養するために年金額を割り増ししてくれる制度です。

そして、配偶者が65歳になった時点で支給は停止されます。

 

日本年金機構 加給年金額と振替加算

 

なので、歳の差が大きければ大きいほど、支給される期間は長くなり年金支給総額は多くなるとメリットばかりの制度です。

 

 

加給年金の受給条件

  1. 厚生年金の加入期間が20年以上
  2. 65歳未満の配偶者 / 18歳未満の子(その年の3月末まで)

シンプルにこれだけ。

サラリーマンを20年以上やってれば、期間に関係なく”一定額”支給されるのです。

 

 

加給年金の給付額

基本となる支給額は以下の表を参照します。

対象者 加給年金額 年齢制限
配偶者 224,300円※ 65歳未満であること
1人目・2人目の子 各224,300円 18歳到達年度の末日までの間の子
または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子
3人目以降の子 各 74,800円 18歳到達年度の末日までの間の子
または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子

65歳時点で未成年の子供がいるのはレアケースだと思うので、基本的には配偶者の分もらえると考えます。

 

 

配偶者加給年金額の特別加算額

受給権者の生年月日 特別加算額 加給年金額の合計額
昭和9年4月2日~昭和15年4月1日 33,100円 257,400円
昭和15年4月2日~昭和16年4月1日 66,200円 290,500円
昭和16年4月2日~昭和17年4月1日 99,300円 323,600円
昭和17年4月2日~昭和18年4月1日 132,300円 356,600円
昭和18年4月2日以後 165,500円 389,800円

そして、配偶者の加給年金には特別加算額があります。

それが、165,500円。

合わせると38,9800円の年金が支給されるのです。

月あたり3万円以上なのででかいですね。

 

一応、生年月日で特別加算額は異なりますが、知らなくても大丈夫です。戦後の生まれなら一律です。

 

 

10歳年下の配偶者がいたら、389,800円×10年 = 3898,000円

とっても嬉しいですね。

 

と、なんかボーナスのように「加給年金」を説明してきましたが、

実は、配偶者が同じ歳でも、生活面では全く問題ありません。

配偶者が国民年金を40年加入して、満額受給される人であれば、65歳になるとともに配偶者も老齢基礎年金779,300円の支給がスタートします。

だから、同じ歳の方が年金の総額は上がります。

 

ただ、歳の差があって「加給年金」をもらうと、

自分より数年後に年金生活になる配偶者は、自分の死後も遺族年金をもらえる期間が長くなるので、家族がトータルでもらえる年金総額は増えるメリットがあります。

 

 

10歳下の配偶者は、65歳になり国民年金をもらい始める。と同時に自分が死に、配偶者が80歳時点まで生きた場合の総支給額を試算してみましょう。

 

年金支給総額のシミュレーション

総額4,450万円

自分:65〜74歳  年金総額 217万円 × 10年 =2170万円

  • 老齢基礎年金:779,300円
  • 厚生年金:1,000,000円
  • 加給年金:389,800円

 

配偶者:65〜79歳 年金総額 152万円 × 15年 = 2280万円

  • 老齢基礎年金:779,300円
  • 遺族厚生年金:750,000円

となります。

 

配偶者と同年齢の家族が、それぞれ上と同じ年齢で死去した場合の総額は、4,061万円

シンプルに「加給年金」の分だけ年金支給総額が減少する計算になります。

これが、加給年金の本当のメリットです。

 

 

 

老齢厚生年金の繰上げ・繰り下げ

ここで、年金の繰上げ・繰下げの影響についても説明しておきます。

年金は65歳から支給となっていますが、それより前に「繰上げ」てもらったり、70歳まで期間を決めて「繰下げ」てもらうことができます。

ただ、早めにもらえばペナルティがありますし、遅くもらうとその分特典があります。

  • 繰上げペナルティ 繰上げた月数 × -0.5%減額 (最大5年繰上げ=30%減額)
  • 繰下げ特典 繰下げた月数 × +0.7%増額 (最大5年繰下げ=42%増額)

 

65歳時点を基準に、早いと減るし、遅いど、支給年金額が増える考え方です。

老齢厚生年金の支給額が少ない人ほど後ろ倒しにしてもいいのかなと個人的には思います。

遅らせることによって、取りっぱぐれる年金の総額が少ないため、リスクが小さいからです。

 

例えば、以下の2人がいたとして、両方70歳まで繰下げて受給した場合と、65歳支給の場合の支給総額の差をみてみましょう。

・老齢厚生年金が年間100万円支給されるAさん

・老齢厚生年金が年金50万円支給されるBさん

 

年金支給の総額の推移表

Aさん(年間100万) Bさん(年間50万)
年齢 繰下げ受給 65歳受給 差額 繰下げ受給 65歳受給 差額
65 0 100 -100 0 50 -50
66 0 200 -200 0 100 -100
67 0 300 -300 0 150 -150
68 0 400 -400 0 200 -200
69 0 500 -500 0 250 -250
70 142 600 -458 71 300 -229
71 284 700 -416 142 350 -208
72 426 800 -374 213 400 -187
73 568 900 -332 284 450 -166
74 710 1000 -290 355 500 -145
75 852 1100 -248 426 550 -124
76 994 1200 -206 497 600 -103
77 1136 1300 -164 568 650 -82
78 1278 1400 -122 639 700 -61
79 1420 1500 -80 710 750 -40
80 1562 1600 -38 781 800 -19
81 1704 1700 4 852 850 2
82 1846 1800 46 923 900 23
83 1988 1900 88 994 950 44
84 2130 2000 130 1065 1000 65
85 2272 2100 172 1136 1050 86

表にしてみると、繰下げのメリットは意外と少ない思います。

5年繰り下げて支給額が上がるものの、65〜69歳の5年間の未受給期間を解消するのが、Aさん、Bさんいずれも81歳までかかります。

平均寿命の85歳まで生きても、たった100万強くらいしか受給総額は増えません。。。

500万円のリスクをとったのに100万円しか払い戻しがないのであれば、そんなギャンブルやりますか??

ちなみに、100歳まで生きたときのAさん+802万円。Bさん+401万円となります。5年総額500万円のギャンブル勿体無いね。

 

そして、早死にリスクは、69歳時点で死去した場合が最大で、Aさん500万円、Bさん250万円となり、81歳までリスクは減っていきます。

当たり前ですが、予想通りBさんの方がリスクの総額は大きくないのでまぁリスクテイクしてもいいかもです。

 

ただ、いずれにせよ、比較的若い65歳〜70代の間に支給総額がマイナスで、81歳になってようやくゆとりが出るというのも、今ひとつなバランスですね。

基本的には「繰下げ」受給の制度活用はお勧めしません。

 

年金繰下げをおすすめする人は?

年金の繰下げを唯一おすすめするのは、65歳〜69歳もしっかり働きたい人です。

意識してないとご存知ないかもしれませんが、年金は支給されると雑所得として「所得税」がかかります

 

もちろん、控除額があるので税金比率は少ないですが、総合課税として、給料と通算されて「所得税」額が算出されるため、収入が大きくなり、その分、働いてても税金が多くなってしまう可能性が高いからです。

 

65歳以降も働く、事業する、不動産の大家さんなど固定収入を得られる可能性が高い人は、「繰下げ」受給のメリットはあるかもしれません。

 

この辺りは、年収どれくらい以上なら繰下げOKみたいに別途テーマとして検討してもいいかなと思います。

少なくとも年金で支給される額以上の収入見込まれる人は「繰下げ」メリットあるかもしれません。

それでも割の悪いギャンブルに見えますが。。。

 

 

加給年金の繰上げ・繰り下げは?

さて、「加給年金」に話を戻します。

この年金の繰上げ・繰下げの影響ですが、あくまで老齢厚生年金の基礎部分飲みに当てはまるので、「加給年金」については繰上げても繰下げても減額増額はありません。

 

  • 繰上げの場合 基礎部分は減額して支給されるが、加給年金は65歳からしか支給されない
  • 繰下げの場合 基礎部分と一緒に、加給年金も繰下げられるが、増額はない

 

加給年金は、繰下げると大損するという驚きの事実です。

まるで仕様バグです。

 

要するに加給年金は、あくまで付加年金なので、基礎部分と分けて単独でもらえない仕様です。

まぁ年金の基礎部分がないと+αの加給年金は渡せないというのもシステム的にわかりますが。

 

繰上げの場合は、単純に基礎部分が前倒しになるだけで、65歳から基礎部分に加えて「加給年金」も支給するのですが、

問題の繰下げは、基礎部分と切り離せないので、一緒に繰り下げられてしまうわけです。なので、本来もらえる65歳以降の繰り下げた期間の分は全く支給されません。

でも、繰下げによる増額計算には入らないので、この期間の「加給年金」は永遠に闇に消えてしまうわけです。

 

最大5年間を繰下げた場合、加給年金だけで「約195万円」も闇に消えてしまうのです。

「加給年金」をもらえる人は間違っても繰下げしないことをオススメします。

 

 

 

老齢基礎年金だけ繰下げることはできる。

ここまでサラリーマンの老齢厚生年金の「加給年金」について説明してきましたが、日本人みんなが入る国民年金の部分「老齢基礎年金」には「加給年金」のような制度はありません。

 

この老齢基礎年金と老齢厚生年金は、別々にして、繰上げ、繰り下げを選択することが可能です。

なので、サラリーマンで加給年金がもらえる人は、老齢基礎年金(いわゆる国民年金)だけを70歳まで繰下げて、「加給年金」付きの老齢厚生年金は65歳から受給スタートするという戦略も取れます。

 

それにしても国民年金は年間支給額は満額で779,300円なので、5年で約390万円になります。

このリスクを背負ってまで「繰下げ」るのはよほど長生きに自信がないとですね

 

 

 

以上、「加給年金」制度について、説明してきました。

既婚で年下の配偶者がいる方は、制度の確認を。

独身の方は、年下の配偶者のメリットを知っていただければと思います。

 

「年金総額を上げるために、年上の俺(私)と結婚しないか?」

というプロポーズでぜひ配偶者をゲットしてください!

 

FPの現場からは、以上です。

 

 

参考文献

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