FPがライフプランニングで用いる係数をご存知でしょうか?
将来に向けて今あるお金を運用していったら、数年後にいくらになるか、一発で試算したり、
目標額までお金を貯めるために、必要な毎年の積立額がいくらかを試算したり、
お金を活用する効果と成果を算出するための使える係数です。
この係数は、全部で6種類あります。
フィナンシャルプランナーを目指すためには、係数の種類くらいは知っておかなければならないようです。
また、自分のライフプランを作るためにも使えると思うので、知っておいて損はないと思います。
それでは、その6種類の係数について一つずつ説明していきたいと思います。
ライフプランニングで用いる6つの係数
係数は年利の条件や期間によって変動する表があるのでそれを使って簡単に計算できるという便利な表です。
ファイナンシャルプランナーの問題の中では、問題ごとに表があって実際に計算結果を求める問題もあるようです。
例として、年利2.0%で5年までの係数早見表を載せてみます。
係数早見表(年利2.0%)
期間 | 終価係数 | 現価係数 | 減債基金係数 | 資本回収係数 | 年金終価係数 | 年金現価係数 |
1年 | 1.020 | 0.980 | 1.000 | 1.020 | 1.000 | 0.980 |
2年 | 1.040 | 0.961 | 0.495 | 0.515 | 2.020 | 1.942 |
3年 | 1.061 | 0.942 | 0.327 | 0.347 | 3.060 | 2.884 |
4年 | 1.082 | 0.924 | 0.243 | 0.263 | 4.122 | 3.808 |
5年 | 1.104 | 0.906 | 0.192 | 0.212 | 5.204 | 4.713 |
数字だけが並んでいるとさっぱり意味わからないと思います。
上に並んでいるのが係数の名前ですが、名前からなんとなく意味がわかるものとさっぱり訳がわからないものがあります。
目的に応じて、適した係数を使うことが重要なので、それぞれの係数の使い方についていかにまとめていきます。
6つの係数と使い方
●終価係数
現在の元本(元金)を複利運用した場合の、元利合計(終わりの価)を計算するときに使う。
【例題】100万円を年利2.0%で複利運用したときの、4年後の元利合計はいくらになるか?
→100万円 × 終価係数(4年目)1.082 = 108.2万円
と、上の係数早見表を使えば、一瞬で計算できて便利です。
今持っている貯金を期待利回り(年利)を想定して10年、20年したらどうなるか?と皮算用するのが楽しい係数ですね。
●現価係数
複利運用しながら目標額に達するために必要な元本(現在の価)を計算するときに使う。
【例題】年利2.0%で複利運用して5年後に100万円にするために、元本はいくら必要か?
→100万円 × 現価係数(5年目)0.906 = 90.6万円
終価係数の逆ですね。目標に対して、現在必要な元本を求めるための係数です。
5年後に家を購入する頭金として1000万用意するために年利2.0%で運用できたとして、今いくらあれば良いか?という場合にも同様の計算で、元本906万円とサクッとわかります。
●減債基金係数
目標額に達するために必要な毎年の積立金額(積み立てる基金)を計算するときに使う。
【例題】毎年一定額積立て、年利2.0%で複利運用して5年後100万円とする場合の毎年の積立金はいくら必要か?
→100 × 減債基金係数(5年目)0.192 = 19.2万円
名前から全くイメージできない係数ですが、積立て基金の運用すると考えると覚えやすいかもしれません。
5年で100万だから20万円貯金しよう!というシンプルな貯金の考え方から、資産運用をすれば19.2万円で100万円達成できるという新しい発見がありますね。
年数が多くなるほど普通に貯金するより積立額は減るので長期複利運用のメリットを一番わかりやすく実感できる係数です。
●資本回収係数
現在の元本を複利運用しながら、取り崩す(使っていく)場合の毎年の受取額(資本の回収額)を計算するときに使う。
利息を含めた毎年の元利均等返済額を計算するときにも使う。
【例題】100万円を年利2.0%で複利運用しながら、4年間で取り崩したい。毎年受けられる回収額はいくら?
→100万円 × 資本回収係数(4年目)0.263 = 21.2万円
定年後の数十年、資産を運用しながら取り崩していくようなケースで、どのくらい切り崩していけば最後までお金が残るか?ということを知りたいときに使えます。
また、住宅ローンを検討している人は聞いたことがある元利均等返済額の計算にも使えますね。
2000万円の住宅ローンを金利2.0%で5年間完済計画をする場合の年間返済額は?
→2000万円 × 0.212 = 424万円
返済計画を立てる時に使えます。
●年金終価係数
毎年の積立金を複利運用した時の、元利合計(終わりの価)を計算するときに使う。
【例題】毎年200万円積立てて、年利2.0%で複利運用したとき、5年後はいくらになるか?
→200万円 × 年金終価係数(5年目) 5.204 = 1040.8万円
毎年積立てできる金額(ゆとり資金)を活用した場合の数年後の達成額を知ることができるので、資産運用のモチベーションアップに使えそうな係数ですね。
これで積立てた金額を老後になったら、資産回収係数を使って10年で取り崩す(回収する)といった計算を係数を組み合わせてできます。
●年金現価係数
目標額の年金を毎年受け取るために必要な元本(現在の価)を計算するときに使う。
【例題】年利2.0%で複利運用して5年間にわたって200万円ずつ年金を受け取りたいときに必要な元金はいくら?
→200万円 × 年金現価係数 4.713 = 942.6万円
まさに自分年金の目標額から、65歳の引退時点でいくら必要か知りたいときに使える係数ですね。
例では5年しかありませんが、平均寿命85歳までの老後20年間について、年金支給額で足りない年間100万円を毎年得るためにいくら貯めておけば良いかということをクリアにする計算をサクッとできる係数です。
以下のリンク先に年利1.0%〜10%!までの年金現価係数表があります。
これを元に年利3.0%で20年間にわたって100万円の自分年金を作るぞ!という計算をすると。
→ 100万円 × 年金現価係数(3.0%20年)14.877 =1487.7万円
約1,500万円必要ですね。
さて、100万円の自分年金をつくる方法はわかりましたが、
ニュースでは、「定年後3000万円の老後資金が必要!」と言われているものが多いですが、それは本当なのでしょうか?
そんな老後資金について、掘り下げてみました。
定年後3000万円必要は本当!?21世紀版をちゃんと試算してみた。
参考文献
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