男子厨房に入らずは、すでに過去の話。今どきの男子は、モテるためというわけでもなく、趣味の一環として料理も作ってしまう。いや、もしかしたら、企業広告によるイメージ増幅で、ちょっと凝った料理をささっと作って彼女に出してしまうのができる男のイメージになりつつある。そんな男にはなりたくないが、潮流には逆らえない。結婚相手の紹介サイトのオーネットと楽天レシピの共同アンケートで未既婚女性 588 人に「男性に作って欲しい料理は?」というアンケートまで実施された。
堂々1位は、「カレー」。フリー回答にも関わらず、実に8人に1人が「カレー」をと答えた。
僅差でパスタが続いて、その後、チャーハンとなる。
カレーライスを回答した理由の多くは、男の作るカレーは凝っていて、本格的で男らしいというプラスのイメージが多く、一方で、失敗してもひどくなりすぎないリスク回避としての消極的理由もある。
ちょうどいい落しどころである。シェフでもない限り、それ以上の料理を望んでもなかなか満足のいく料理は出てこないだろう。
一方で、煮物などの和食は作って欲しくないランクに入っている。これは彼女の領域だからだ。自分たちが料理する煮物やキンピラごぼうを男子がサクッと作ってしまったら、ありがたみがなくなってしまうという計算がそこにはある。だが、守備範囲を分け合うのは役割分担として良いだろう。実際、私もカレーの方が作る気がおこる。これはカレーは鍋いっぱいに具材を入れて大量に作るからだ。作る行為に対して目に見えたボリュームの成果が見える単純さは、男に達成感をあたえてくれる。煮物は小鍋にちょっと作るという感じで、手間の割に寂しいのだ。
男のカレー週間は悲しい味がする。
かくいう私は、料理ができる男だ。モテるためでも、今どきだからでもなく、料理を作る必要があったからに他ならない。大学を機に上京して、3万5000円の風呂なしアパートで一人暮らしを始めた。親からは家賃込みで10万程度の仕送りがあっただろうか、バイトをしても教材や食費でいっぱいいっぱいの貧乏学生が、4年間生き抜くためには、「もやし」を炒めるしかない。もやし炒め、味噌汁、ラーメン、と簡単な料理を作り始め、時間がなければカレーライスを大量に作り、密かに世界で一人だけのカレーWeekを年に数回開いていた。1週間、朝晩はカレーライスを食べる。さすがに飽きるため、途中でウィンナーや卵を落として味を変えながら、カレーを食べ続けるのだ。最後は、しょっぱかったかな。あれは、涙の味だったのか。
と、カレー作りに対してさほど良い思い出はないが、女子が望むのならば、作らないでもない。いや作ってやっても良い。こだわりのカレー。しかし、私の好みはスパイシーなカレーではなく、欧風カレーである。ホテルニューオータニなどの老舗ホテルで出るような欧風カレーを作りたい。
ホテルニューオータニの欧風カレーの作り方
アンケートの楽天レシピのサイトにちょうど、ニューオータニの元シェフのカレーレシピがあった。
楽天レシピ「オータニの元シェフにこっそり教えてもらったカレー レシピ・作り方」http://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1620016980/
ホテルニューオータニから独立されてカレー専門店を開かれたシェフに教えてもらったカレーの作り方らしい。
しかも、見てみると簡単であり、美味しいと評判である。ここぞというときにおなごに見せつけるように作り、男を上げるのも休日の戯れとして良いのではあるまいか。
材 料(4人分)
- 牛肉 200g
- 牛脂 20g
- 玉ねぎ 中1個
- 人参 中1/2本
- カレールー 4皿分
- 水 600ml
材料は、これだけ。手順も簡単。
ホテルニューオータニのカレーの手順
- 牛脂で肉炒め、皿に出す。
- みじん切りの玉ねぎと人参を順番に炒め上げる。
- 炒めていた肉と水を入れて煮込む
- アクを取りきったら、ルーを入れて煮込む。
- 一昼夜涼しいところで寝かせる。
以上、簡単である。
カレールーもこだわりたい。
カレーのルーを作るところまでやってもいいが、簡単にうまいものを作るのがいいから、カレールーはいいものを仕入れた方が時間効率的に良いだろう。
業務用のカレールーが良さそうである。
お徳用もあった。
カレー向きの鋳物ホーロー鍋(両手持ち)で演出
カレーを作るのにおすすめなのは、鋳物ホーロー鍋。保温性が高いため、カレーやシチューなどじっくり煮込む料理に浮いている。さらに色移りや匂いも残りにくい。そして、金属ではないため、食材の味を変えない。錆にも強い。
弱点は、急な温度変化や強い衝撃には弱いこと。あくまで弱火でコトコト系を。また、道具も金属ヘラ、おたまは傷がつくのでNG。木やシリコンの道具を使うしよう。
ヘラやおたまは、木やシリコンのものを
テーブルの中央にこの鍋ごと運びましょう。ご飯はおひつに入れて、おかわりをその場で楽しめる特別なカレーパーティになります。子供が喜びそうだ。
おひつは場所を取るけど、米の水分をちょうどよく取ってくれて米を美味しくしてくれる。冷めても美味しい。
木は加工されてからも呼吸し水分を調整します。炊きたてを入れれば余分な水を吸い、ご飯が冷めると水を補います。お米がベタつくこともなければ、時間が経って固くなることもありません。
この木曽のさわらという木材のおひつが最高峰だ。高いが。
夏でも一晩くらい置いていても全く問題ないそう。コツは炊き立てを移し替えること。
お手頃価格なら、こちらのおひつが竹製のしゃもじが付いていてお得。
冷蔵庫にそのまま保存してもOK なので、あまりをラップしていた人にはお勧めだ。
さあ、鍋やおたまなどの道具も揃え、カレーを作り、テーブルの上に綺麗な鍋敷きをひいて、鍋ごとのカレーとおひつにご飯を並べたら、まちがいなく、女子に一目置かれてしまうだろう。
「本格的〜!すごい〜」などと女子に囃し立てられても、決して嬉しそうな顔はせずに、スプーンを手渡しながら、一言つぶやこう。
「カレーは、人と食べるとうまいからな」
それだけ。
謙遜や否定や肯定もしない。なんとも婉曲的な表現であるが、一つの正解だ。
そして、返答に困った彼女に向かって笑顔でさあ食べようか。
「いただきます!」
そんなことを妄想しながらこのブログは2時間かけて書きました。
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