アルゼンチンのイグアスの滝に圧倒された余韻を残したまま、ブラジルのリオに戻り、世界一周の旅を続ける。リオを離れて、初めて大西洋を横断する飛行機に乗り込む。
しかも、南半球から北半球へと戻るのだ。
見えない赤道を越えるという概念を脳で楽しむ。
ブラジルからポルトガルはそれほど時間はかからない。大航海時代のコロンブスとは逆にアメリカ大陸からユーラシア大陸へと上陸する。ヨーロッパは人生では2度目である。
30日間世界一周9都市目は、ポルトガルの首都リスボンだ。
大航海時代の情熱と面影を残した街・リスボン
ポルトガルに入国すると久しぶりの先進国の匂い。ペルー、ブラジルの新興国の空気も好きだが、街として洗練されている先進国の雰囲気も大好きである。何より旅のストレスは皆無だ。
空港からセントラルへのバスに迷うこともなく乗り込み、予約していたホテルへ。
ヨーロッパらしいホテル。街並みに溶け込んだ古い小さな建物の1室を予約していた。
1.ジェロニモス修道院 (Mosteiro dos Jeronimos)
ホテルにチェックインした後、観光バスを活用して、海へと向かう。
大航海時代にコロンブスなど多くの冒険家が旅立った港を訪れる。
ユーラシア大陸の最西端のポルトガルから、大西洋を望む気分はまさに冒険家だ。
新天地への期待感に胸を焦がしながら港を散歩していると、荘厳で迫力ある建物がある。ジェロニモス修道院だ。世界遺産の一つだ。それにふさわしい圧倒的な存在感を味わう。
2.発見のモニュメント
少し歩くと大航海時代の冒険家たちを賞賛するモニュメントがそびえている。
このモニュメントは登ることができて、そこから大西洋を臨むと、彼らの気分を少しばかり味わうことができる。海も空も遠くへと繋がっていき、先はどうなっているかはわからない。わからないからこそ行ってみたくなる。人生という航海を思い描くのも一興だろう。
彼らのようなざっくりした目的で私も行動する方である。綿密であるよりは一歩を踏み出す。そんなざっくりした大航海時代に生まれていれば私もきっと新大陸発見を夢見ていただろう。
どこぞの海賊みたいに仲間ばかりに依存して大した目的もなく海をさまよい、海賊王になる!という権威だけを求めるような奴らには全く共感できない。
わかりづらいかもしれないので、明記すると「ワンピース」という漫画があるのだが、ご存じだろうか。その主人公が海賊で、数人の仲間とともに海賊王を目指して冒険するというストーリーである。序盤は面白かったのだが、最近は読むのも苦痛なほど面白くないのだ。
大航海時代の英雄たちのような純粋で無謀なチャレンジと探究心が、ワンピースの主人公たちにはない絡んだろう。
3.ベレンタワー
発見のモニュメントからさらに西へ海岸沿いを進むと変わった塔が視界に入る。これも世界遺産の一つベレンタワーである。ヨーロッパらしいゴシック様式の塔で、それほど大きくないが海に突き出た不思議な立地にあり、奇妙な感じが興味をそそる。
ベレン地区を散歩しながら、大航海時代の面影を半日で味わいつくした後は、街へと戻る。
街へ戻りスターバックスへ入り無料wifiを堪能する。
コーヒーを買ったレシートにPIN codeがある。私は常にアイスコーヒー(Cold Brew)を頼むのだが、海外のスタバは常に味が薄い。日本とは全くつくり方が違う。日本であれば、エスプレッソ2杯分くらいを氷で薄めてくれるが、海外では普通のコーヒーを氷で薄めているのだ。
何度かStrong coffeeにしてくれと頼んでみたが、出されるアイスコーヒーは常に薄かった。
さて、無料wifiは現代の海外旅行のオアシスだ。次はどうしようか戦略を立てる。
リスボンの街に面白いものを見つけた、街中にそびえ立つエレベーターだ。
おまけ)サンタ・ジュスタのエレベーター
街中にそびえている45mの巨大鉄塔が急に視界に入る。かなりの違和感がたまらなく好奇心をそそる。
低地バイシャ地区と高地シアード地区を結ぶエレベーターだ。
エッフェル塔の設計者、ギュスターヴ・エッフェルの弟子ポンサルドによる設計の逸品である。
観光スポットとして人気のエレベーターだが、平日ということもあり比較的空いていた。エレベーターに乗り込み屋上へ行くと感動的な光景が広がる。
魔女の宅急便のキキの浮遊感を味わえる街
まるで宮崎駿のアニメ「魔女の宅急便」の街並みのようである。
地上45mはちょうどキキが魔法のほうきにまたがり空を飛んでいる視点と同じくらいなのだろうか、あの風景を見ているようで爽快な気分になる。
煙となんちゃらは高いところが好きなのである。
街に戻り、小さなレストランで夕食をとる。
観光シーズンでないからか、店員は暇つぶしに声をかけてくれる。
彼から感じるのはポルトガルという国への愛であった。尋ねていないのだが、遠いアジアからの旅行者にポルトガルの良さをしきりに教えてくれるのだ。一気にポルトガルを身近に感じるきっかけになった。
しかし、30日間世界一周。次の街へと向かわなければいけない。
いつか、ポルトガルを再訪して、トンボのように自転車で街を走りたいと願っている。
Sponsord link