国内のオトナ旅で、日常から切り離された非日常な時間を体験するのにおすすめなのが、毎日運行していて手軽に乗れる寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」
旅好きのオトナたちには密かに人気で、週末は予約開始と同時に売り切れるほどプレミアムなチケットです。平日便は比較的余裕があると思います。
今回、実際に乗車して旅を楽しんできましたので、その魅力やチケットの入手方法、サンライズ出雲・瀬戸の車内の様子などを詳細にレポートします。
タイトルの13,980円は、寝台シングルデラックスの料金。たったこれだけで最上位の特別な非日常空間を数時間手に入れることができます。
この記事を読み終わる頃には、サンライズ出雲・瀬戸のリアルな情報に詳しくなっているので、近い将来には、実際に非日常を楽しめる寝台列車のオトナ旅をプランし、日常のストレスや閉塞感から解放されリセットされるひとときを、いつでも楽しめるようになっているでしょう。
寝台特急の魅力とは?
移動手段として抜群の使いやすさ
瀬戸行きと出雲行きが連結した寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」は、まず移動手段としての使いやすさが非常に魅力的です。
運行ダイヤ
・下り列車 東京22時00分発→出雲市9時58分着・高松7時27分着。
・上り列車 出雲市18時55分発・高松21時26分発→東京7時08分着
特に下り列車は、夜遅く出発し、朝早くに目的地につく抜群の旅程。
たとえば、金曜日の仕事終わりに寝台列車に乗り、翌日の朝には高松駅。朝一からすぐに人気の讃岐うどん店巡りを楽しみ、土日まるまる四国を堪能し、日曜夜に新幹線で帰るといった効率良い日程が作れる実務的なメリットは大きいです。(もちろん帰りも寝台もありですが、月曜朝一の仕事の準備がちょっと悲しいかもw)
非日常感を出発から効果的に味わえる寝台特急
しかし、オトナ旅として特筆すべき楽しみは、寝台列車の「日常から隔離された空間」で過ごす時間です。
寝台列車の個室に入った瞬間から、旅のテンションが2、3割増しで、さらに走り出してからは、夜の暗闇の中を疾走する車窓から、街の生活の灯を眺めていると、自分だけがどこか違う時間軸で行動しているなんとも言えない居心地の不安定さというか、どこか浮遊感みたいな感覚があり、まるで異世界に迷い込んだみたいな気分になれるのが醍醐味です。
合わせて、強制的に日常から切り離されるため、終点にたどり着く朝には、日常の様々な問題やストレスなんて気づいたらどこかに行ってしまう心のリセット効果も非常に高いです。
新幹線や飛行機など短時間の移動ではなかなか味わえない旅してる感、異邦人間を、国内旅行で気軽に国内で味わえる点で、寝台特急は非常に効果的です。
サンライズ出雲・瀬戸の個室・座席の種類
寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」には全部で6種類の個室・座席の種類があります。
個室は寝台券(指定席券)が必要で、運賃、特急料金とは別に寝台料金がかかります。
ただもっとも高くても13,980円なのでぜひ寝台個室を予約してください。
個室はツイン以外は大人1人の利用が前提ですが、子供1人だけなら、追加料金なく一緒に個室を利用することができます。子供用の運賃と特急料金は別途かかります。幼児は運賃・特急料金も必要ありません。
大人二人ならツインを選択すれば良いでしょう。
以下に6種類の個室・座席を紹介しますので、自分の旅行にぴったりのモノをまずは選びましょう。
シングルDX 13,980円
「サンライズ出雲・瀬戸」の最上級のお部屋。
1人用個室ですが、ベッドの他にもデスクや洗面台もあります。
2階建車両の2階部分にあるので、途中の停車駅でも人の目線が気にならないのもメリット。女性には特におすすめです。
ベッドサイズも1960mm×850mmと広いのでとても快適です。
子供1人と添い寝であれば、ほとんど問題ありません。
さらに、寝間着や各種アメニティキットに、シャワールーム(シングルデラックス専用)を使用できるシャワーカードも付いてきます。
一般個室でシャワーカード売り切れ!なんて心配もないまさにプレミアムな個室。
出雲行き車両・瀬戸行き車両で、それぞれ6室のみしかないので、争奪戦に勝つ必要があるので、早めに予約しましょう。
シングル 7,700円
シンプルなシングル個室ですが、ベッドに加えてテーブルもしっかりあるので、オーソドックスに旅行を楽しめます。
ベッドサイズも1960mm × 700mmと十分。1階でも2階でも天井高もじゅ分あります。
シングルツイン 9,600円
シングルが縦に長く、2階建に。上段に跳ね上げ式の補助ベッドがあるので、2人利用できます。下段のベッドは折りたたんでソファにもなります。
ソロ 6,600円
最安値の寝台個室がソロ。
部屋いっぱいのベッドに、やや低めの天井で限られた空間でどう快適に過ごすかはあなた次第。逆にこの狭さが非日常感を増幅してくれそうです。
サンライズツイン 15,400円(二人分)
男二人ならシングル2室で問題ないですが、カップルや夫婦がツインが旅を一緒に楽しめていいかと思います。シングルデラックス車両の1階部分にあって、1960mm × 750mmのベッドが2つあります。
ノビノビ座席 指定席料金530円
最後に寝台料金ではなく、指定席としてサンライズ出雲・瀬戸を楽しめるノビノビ座席。
フェリーの雑魚寝席よりほんの少し区切りが明確なので、やや人目を気にしなくても済むゆったり座席です。
カーペットなので、ゴロンと寝転んで寝台特急の旅を楽しめます。
が、折角乗るなら寝台個室を予約したいところです。
どうしても寝台特急を格安で乗りたい人向け。
サンライズ出雲・瀬戸のチケット入手方法
寝台はネット予約不可なので、みどりの窓口へ。
さて、乗りたい寝台個室のタイプは決まったでしょうか?
決めたら日程に合わせて、早速予約をしましょう。
ネット普及がこれだけ進んでいるのですが、なぜかJRはまだまだ予約が不便です。寝台特急の「サンライズ出雲・瀬戸」は残念ながら、ネット予約できません。
そこで、切符購入のためには、みどりの窓口を利用するのが一番手っ取り早いです。みどりの窓口であれば、スタッフに相談しながら、進められるので意外と便利です。
寝台の予約開始は2ヶ月前からなので、週末日程や人気のシングルデラックスを予約したいなら、早めに予約するのがおすすめです。
私は、12月中旬の平日を予約しましたが、数日前でも予約できて、当日も空きが多かったので、平日なら余裕があると思います。
仕事帰りに急に思い立って、讃岐うどんを食べに行く、なんて旅行も楽しめます。
旅行代理店でツアー予約もあり
みどりの窓口に行くのが不便、ネットじゃなきゃ嫌だーという場合は、旅行代理店のツアーを利用するの方法もあります。
近畿日本ツーリストさんに出雲、瀬戸のツアーがありました。
行きは寝台特急、帰りは新幹線や飛行機などの組み合わせのツアーは非常に良い旅程だと思います。
ノビノビ座席のツアーとありますが、予約手続きを進めると、追加料金でBシングルなどの寝台へアップグレードできるので、うまく活用してみてください。
問い合わせで最初からシングルデラックスを狙うなどもおそらく代理店なので対応してくれると思います。
以上の手順で、サンライズ出雲・瀬戸の寝台券をゲットすれば、あとは、東京駅22時発の列車に乗り込むだけです。
それでは実際に私が乗車したサンライズ瀬戸の実体験をレポートして行きたいと思います。
サンライズ出雲・瀬戸の実体験ガチレポ
サンライズ出雲・瀬戸の車内の構成
私が乗車したのは、東京駅発で前半分の車両となるサンライズ瀬戸。終着駅の高松駅7時半くらい着の旅です。
私と幼児の二人旅で、シングルデラックスを利用しました。
車内のご案内を見ると号車により各個室のタイプが分かれています。
AシングルDXは4号車、11号車のみ各6部屋のみとなります。サンライズツインも同じ車両に入っています。
後ろ半分が出雲行きのサンライズ出雲でした。
目的地をどちらにするか悩んだのですが、出雲大社も捨てがたかったのですが、「讃岐うどん」と「瀬戸内海のアートのある直島」に魅かれたので、サンライズ瀬戸を選択しました。いずれは家族でサンライズ出雲も乗りたいと思います。
平日の乗車で、車内は非常に空いていたため、共有スペースのミニデッキだけではなく、各個室のある車両も全て見学してきました。
空いている個室はドアが開いている状態だったので広さも確認できたのですが、シングルデラックスは別格の広さですが、他の個室でも旅情感を味わうには十分だなと感じました。
ゆったり快適、大きな窓で星空を眺めるシングルデラックス
さて、私の体験した寝台Aシングルデラックスの内部について紹介して行きましょう。
シングルデラックス車両の通路
車内の通路は一人なら余裕ですが、すれ違うときは多少気を使う程度の広さです。あまり移動しないのでほぼストレスは感じませんが、大きい荷物がある場合は少し苦労するかもしれません。
シングルデラックスの個室へは階段を上って入ります。
シングルデラックス内部
ドアを開けると正面に大きな鏡のある洗面所、そして通路側にデスク・椅子があり、テーブルライトもあるので、読書しながらぼんやり座って過ごすこともできます。
喫煙を選ぶとデスク脇に灰皿が備え付けられています。
洗面台の横にコンセントがあるので、携帯・PCなどの充電は問題なくできます。
また荷物は動線を考えてこの辺りに置くことになります。
一方、ベッド側を見ると、
天井に向かって大きなカーブを描く窓側にベッドがあります。
窓は非常に大きいので、寝っ転がって夜空を眺めたり、早朝には日の出を眺めることも。
また、ベッドの奥には小物を置けるスペースがあって便利。
ライトなどをコントロールするスイッチもこの辺りにあり、スムーズに就寝できます。
ベッドの上には綺麗に整理された布団、枕、寝間着、スリッパ、そしてアメニティ袋があります。
アメニティの中身は以下のような感じ
石鹸、シャンプー、リンス、髭剃り、歯ブラシ等々、旅に必要なものはだいたい揃っています。また、シングルデラックス車両にある専用のシャワールームが使えるシャワーカードも1枚入っています。※他の寝台は有料
10分間のシャワーを浴びることができます。子供2人で利用しても5分以上時間が余ってしまいました。女性だともっと時間がかかるかもしれませんが。
シングルデラックスは2階にあるので、ホームでも車窓は目線より高くなります。
特に朝方は各駅のホームに止まるので、1階だと覗かれてしまいます。
カーテンを閉めていればそんな心配もありませんが。
また、2階個室のメリットは、空を見上げられることです。
このRのある窓の作りなので、上空を眺めやすく、夜空を楽しめます。
朝になればもちろん、大きな窓からの風景を楽しめます。
進行方向によっては朝日も楽しめます。
【共有スペース】ミニデッキ
車両の間には共有スペースがあります。
列車の両側に向かって、4人掛け程度のカウンターテーブルが2つあり、ご飯を食べたり、仲間と多少談笑したりするのに使えます。
特にソロやシングルなど小さめの寝台を選んだ人は、この共有スペースは背筋も伸ばせて気分転換に使えると思います。
シングルデラックスだと大きなデスクが個室内にあるので、そこで食事やPC作業なども十分できるため、それほど利用する機会がないかもしれません。
また、車内には自販機はありますが、車内販売や食堂車などはないので、お酒や食事やおやつ、軽食などは事前に購入しておきましょう。
早朝には、岡山駅で、サンライズ出雲と瀬戸を分離する時間があるので、その間に駅構内で買い物する時間はありますが、早起きする必要もあるので、事前購入の方がベストです。
ドライヤーもあるシャワールーム
さて最後にシャワールームです。
車両にあるシャワールームは、シャワーカードを使えば10分ほどシャワーが出ます。
ドライヤーの下にカードを差込んで、シャワールームの緑のボタンを押すと、カウントダウンスタート。
10分間のシャワータイムでリフレッシュできます。
水圧等も全く問題なく快適なシャワーです。
ボディソープやシャンプーも備え付きのものがありタオルだけ持って来ればOKです。
シャワーを終えたら、脱衣場にあるシャワールーム洗浄ボタンを押すと内部がクリーニングされるようです。
瀬戸大橋を渡る!朝の車窓から
最後に、瀬戸大橋を渡る車窓からのおまけ映像です。
瀬戸内海に浮かぶ島々と朝日に染まる空がなんとも綺麗でした。
早朝、高松駅についた後は、カーシェアリングの車を使って、事前にチェックしていた讃岐うどんの名店を2軒まわり、お遍路のお寺の一つなどを観光して、昼頃にはフェリーに乗って、アートのある直島に移動しました。
瀬戸内海の旅は、うどんも、お寺も、アートも楽しめて最高のリフレッシュになりました。
私のサンライズ瀬戸レポートは以上です。
とにかく東京駅から乗り込むときの気分の高揚と、乗ってからの非日常感は、これまでの旅行とは全く違う感覚で、寝台列車という移動するホテルは、やはり特別なものだと発見することができました。
ぜひ、皆さんも一度は寝台列車の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか?
少なくなってきた寝台列車の中でも、サンライズ出雲・瀬戸は毎日運行で、格安なので、初めての寝台列車としては非常にリーズナブルなのでオススメです。
近畿日本ツーリストのツアー
(参考書類)
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